はじめに
今回は小ネタを紹介します。
TypeScript では 'string' | string ができないことは結構な人がご存知だと思います。
これは、アップキャストされて string 型になってしまいます。
文字列リテラル型は、プリミティブ型 string の派生です。
そのため、共用型を使った場合アップキャストされてしまいます。
しかし、ライブラリの開発などでは、特定の文字列または、全ての文字列を受け入れるインターフェイスがほしい場面が結構あります。
今回はその方法を紹介します。
結論
結論を書くと次のようにできます。
これは chakra-ui の Union types 見て知ったわけですが、本家のコードは次のようになっています。
{} と交差させることで、 string 型が文字列リテラル型の派生元ではないなにかになるようです。
{} は null 以外の値を意味します。空オブジェクトリテラル以外も受け入れる事ができる、非常に緩い型となります。
また、{} を交差型で使うと不思議な振る舞いをします。
上の例では、{} がない場合と同じようにインテリセンスは適応されますが、
null 以外を受け入れます。
以上のような特性から、(string & {}) は上手く動くことがわかります。
余談ですが、空のオブジェクトリテラルの表現は次のようにできます。
String vs string
TypeScript において String とは String オブジェクトを表します。一方、 string は文字列型を表すため両者は異なります。
string 型を String オブジェクト型に割り当てできますが、その逆はできません。
また、TypeScript の公式リファレンス:Do's and Don'ts では次のように述べられています。
Don’t ever use the types
Number,String,Boolean,Symbol, orObjectThese types refer to non-primitive boxed objects that are almost never used appropriately in JavaScript code.
特別な理由が無い限り string を使わなければならないとのことです。
一方、{} も ESLint では ban-types になっている位なので、どちらも基本的には使うべきでないということです。
今回のようなハッキーな局面では、String オブジェクト型を使用したほうが、見た目的にはわかりやすい気がします。
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